はじめに
ここでは色々なシステムやサイトのUX改修を勝手におこない、より良いユーザビリティを目指し、提案します。
今回は日本の厚生労働省が提供するスマートフォン向けCOVID-19アプリ「新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOA(COVID-19 Contact Confirming Application)>」スマートフォン版のUX改修をおこないました。
対象サービスの企業情報
- 開発元
- 厚生労働省
- 年間予算
- 33兆1379億6852万5000円
- 定員
- 3万3414人
- 業界
- 政府
- 作者
- COVID-19 Radar Japan
現状の課題/改修の方向性
COCOAはApple社とGoogle社が提供しているAPIを使用しており、その利用条件「1国1アプリであること」のもと、日本国内唯一の接触確認アプリです。オックスフォード大学では、総人口の6割以上が接触確認アプリをインストールし、感染者の早期隔離に成功すれば感染まん延を防止できると発表しています。 しかしアプリのインストールと陽性登録は任意のため、現状の普及率は5%、陽性登録者数は陽性者の約2%に留まり、感染防止に効果がある水準までは大きく届いていないのが現状です。
課題としてCOCOAをインストールするメリットが感じられない点があります。 日本のスマートフォンを所持している全人口が対象になるためアプリ内の機能の分かりやすさや情報の透明性、インストールにつながるための施策が必要だと考えました。
まずは現状の機能を分かりやすく伝えること、そして陽性登録の割合を増やすために情報の透明性を高め利用者が不信感を抱いたり、操作がわからず離脱するUXを改善する必要があります。
さらにインストールするメリットを加えるため新機能です。 現在のCOCOAでは個人の特定を防ぐため個人情報を入力する機能がありません。個人の感染状況は秘匿性の高い情報のため入力を避けたい利用者は多くいると思います。 しかし個人情報を入力することでワクチン接種証明書の表示や感染後の保健所とのやりとりをスムーズに行うことができます。「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」や感染後のWEBやLINEを利用した体調問診など、様々な媒体に散らばっているものを、個人情報を入力することCOCOAにまとめることが可能です。
さらに厚生労働省が発表する新型コロナウイルスに対する最新情報や支援情報、また地域別の感染状況などを最速で確認できる機能を追加します。COCOAを見れば個人の感染防止や感染後の対応も行えるので新型コロナウイルス総合情報アプリになります。 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、情報の分散や錯綜に対してデザインで正しい情報を速やかに受け取れるように今回の改善を作成しました。
改修案
以下、改善事項です。
スマートフォンを持つ全人口が対象となるため、利用者のデジタルリテラシーは様々です。普段スマホをあまり使わない層にも直感的に伝わりやすいデザインにしました。 また陽性者との接触が確認されてからの流れを分かりやすくし、陽性登録者が増えるような仕組みを考えました。
- 必要な情報を伝えるために優先度の低い情報は省きました。
- 「接触確認ツール」がわからない人向けのページです。シンプルなイラストでわかりやすく伝えます。
- 必要な情報を伝えるために優先度の低い情報は省きました。
- 接触履歴のページです。実際に接触履歴がある人が今後どのような流れを踏む必要があるかを縦の時系列でまとめまし。
- 陽性登録のページです。症状をタップでチェックし、記入に迷わないような仕組みにしまいた。
新しい機能
このアプリ一つで新型コロナウイルスに関する情報をまとめて見れるようにしました。 新型コロナウイルスに関する情報をそれぞれ「マイページ」「最新情報」「基礎知識」に分け、必要な情報にスムーズにたどり着けるようにしました。
- ワクチン接種証明書を表示するボタンを作成しました。
- 陽性と診断された場合、保健所との体調管理などの報告ができるチャットページです。
- 厚生労働省の新型コロナウイルスのページです。支援情報など緊急性の高い情報にすぐにアクセスできるようにしています。
- 新型コロナウイルスに関するニュースと感染状況のページです。
UIコンセプト
多くの方が亡くなっている感染症のため、利用者の気持ちに悪影響を及ばさないようポップにも暗くもなりすぎないよデザインにしました。 テーマカラーは気分を落ち着かせてくれる水色を選び、清潔感があり親しみやすいものにしました。 ボタンや文字も大きく、文章をわかりやすく書くことでスマートフォンを持つ全人口が問題なく利用できるものにしました。
まとめ
新型コロナウイルスへの対応に関してデザインで解決できる問題はまだまだたくさんあると思います。正しい情報の伝達がスムーズに行えれば、現場の負担も減り感染防止や感染後の対応の向上に貢献できるのではないかと思い今回の改善を考えました。
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