近年、スマートフォンやPCの普及により我々は様々なアプリに触れて日々の生活を送っています。仕事をしたり誰かとやり取りしたりするにはもちろん、買い物や場所探しにも欠かすことができなくなっています。それらのアプリはどのように開発されて我々の生活に届けられているのでしょうか?
本記事では、アプリを設計するということ、そしてそれを継続的に改善することの重要性に焦点を当てて、そのビジネスにおける重要性とあわせて解説していきます。
目次
スマートフォン/PCアプリ・UXデザインとは
スマホ/PCアプリとは、スマートフォンやパソコン上で動作するソフトウェアのことを指します。特にスマホアプリは主にiOSやAndroidといったOS向けに開発され、ユーザーが日常的に使用するゲーム、SNS、ビジネスツールなどの機能を提供します。アプリは専用のストアやウェブサイトを通じてダウンロード可能で、人々のスマホやPCの体験をより良いものにしています。
UXデザインは、ユーザーがWebサービスを利用する際の全体的な体験を設計するプロセスです。UXデザインには、ユーザーリサーチ、情報設計、インタラクションデザイン、視覚デザインなどの要素が含まれます。これにより、Webサービスが直感的で使いやすく、視覚的に魅力的なものとなり、ユーザーが快適に操作できるようになります。
アプリにおけるUX改善のプロセスとは
アプリにおけるUX改善はいくつかのプロセスに分けることができます。
- ユーザーリサーチ
ユーザーのニーズ、期待、行動を理解する(ユーザーインタビュー / アンケート調査 / ユーザビリティテスト)
- データ分析
ユーザー行動やフィードバックを分析し、問題点や改善点を特定する(ユーザー分析 / フィードバックの集約)
- 情報設計の見直し
コンテンツや機能の整理・構造化を行い、使いやすさを向上させる(サイトマップの再設計 / ナビゲーションの改善)
- ヴィジュアルデザインの改善
視覚的な要素を見直しユーザーとサービスのインタラクションをスムーズにする(プロトタイピング / インタラクションのテスト / デザインの一貫性 / レスポンシブデザイン)
- 実装とテスト
改善したデザインを実際に実装し、最終的なテストを行う(A/Bテスト / ユーザビリティテスト)
- リリースとモニタリング
改善されたサービスを正式にリリースし、パフォーマンスを継続的に監視する(ローンチ / パフォーマンスの追跡)
このプロセスを繰り返しながら行うことで、ユーザー体験の継続的な改善が可能となり、サービスの品質向上やユーザー満足度の向上に繋がります。
※各プロセスにおいて参考になる記事は以下を参照
アプリにおいてUXデザイン改善を行うメリット / 効果
では、時間とリソースをかけてUXデザインを行うことでどのような効果を得ることができるのでしょうか?主に以下の2つがメリットとなります。
- モバイルデバイスに最適な操作性を実現できる
アプリはスマホやタブレットといったモバイルデバイスで利用されることが多いです。そのためUX改善により、デバイス特有の操作性が大幅に向上します。タッチやスワイプ、ピンチ操作などに対応したデザインを導入することで、ユーザーはデバイスに合わせた直感的な操作が可能になります。結果として、アプリの利便性が高まり、操作の煩わしさが解消されユーザーの利便性向上を成し遂げることができます。
- パーソナライズされた体験の提供
アプリには個々のユーザーに合わせた個別の体験を提供しやすいという特徴があります。UXデザインの改善によって、ユーザーの行動履歴や好みに基づいたコンテンツや機能の性能を高めることができます。利用者ごとに最適な画面表示や操作フローを提供するとユーザーは自分に合った体験を得ることができ、アプリへの満足度や利用頻度が向上します。
すなわちアプリのUXデザインの改善を疎かにしてしまうと、ユーザーの利用満足度が低くなり他アプリに流れてしまうリスクが生じてしまいます。
アプリにおいてUXデザイン改善を行う際の注意点
ではUX改善を進める上で我々が気をつけなければいけない点はどこなのでしょうか?ただ改善に向けて働きかけるだけでなく以下の点に注意をしなければいけません。
- プラットフォームごとのデザインガイドラインへの適合
特にスマホアプリは、iOSやAndroidといった異なるプラットフォームで利用されます。それぞれのプラットフォームには独自のデザインガイドライン(AppleのHuman Interface Guidelines、GoogleのMaterial Designなど)があり、UXデザイン改善の際にはこれらに従う必要があります。ガイドラインを無視すると、ユーザーにとって使いにくく感じられ、ネガティブな体験を与える可能性もありプラットフォーマーからの評価を下げることにもつながるので注意が必要です。
- パフォーマンスとUXのバランス
アプリはユーザーが常日頃、生活のあらゆる場面で使用するため動作スピードやパフォーマンスがUXに直接影響を与えます。デザインの改善によりアニメーションや画像を多用すると、視覚的にはリッチになりますが、読み込み時間が長くなる場合があります。そのため、デザインとパフォーマンスのバランスを慎重に保ち、本当にユーザーが使いやすい状態を作ることが重要です。
アプリにおいてUXデザイン改善を行った事例
実際に、アプリにおいてUXデザイン改善を行うことでどういった成功を収めることができるのでしょうか?頻繁に話題に挙げられる例として、世界的に有名なSNSである「Instagram」の例を紹介します。
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背景/課題
Instagramは、世界中で人気のある写真・動画共有アプリですが、初期の頃は新規ユーザーのエンゲージメントが低いという課題がありました。特に、アプリに初めてサインアップしたユーザーが、フォローするアカウントを見つけることに苦労し、すぐにアクティブにならないケースが多く、リテンション率が低下していました。
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施策
ユーザーがアカウント作成時に興味を持つコンテンツやアカウントを簡単に見つけられるよう、サインアップ時に推奨されたアカウントのフォローを提案する機能を追加しました。また、新しいユーザー向けに、フォローする人やタグの提案、好みを基にしたフィードを作成するプロセスを導入しました。
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効果
この施策により、新規ユーザーの初期段階でのエンゲージメントが劇的に改善され、フォローするアカウントを見つけることがスムーズになりました。これにより、リテンション率が大幅に向上し、ユーザーがより早くInstagramのUXに慣れることで、長期的なアクティブ率も向上する結果となりました。
UXを重視したプロジェクトを推進するためには
自社でUXを重視した事業開発プロジェクトを推進するためには、以下に示すような中長期的な施策をおこなっていく必要があります。
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社内 / プロジェクト内のUX人材育成
社内において、実際にUXを重視したコンセプト設計や検討をおこなう人材が不足している場合は、どうしてもプロジェクトの推進力が落ちてしまいます。人材の育成は短期的に行うことが難しいので、中長期的な目線での人材投資 / 機会創出が求められます。
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組織全体のデザイン思考の重要性の啓蒙
社内やプロジェクト内においてユーザー体験が軽視されていると、あらゆる場面において各所の協力を得ることができずプロジェクトが進まなかったり、最悪の場合は頓挫してしまうことも考えられます。
結論 / まとめ
アプリにおけるUX改善の重要性やメリットについてそのプロセスも交えて説明してきました。今後もスマートフォンやPCは進化を遂げ、その中で利用されるアプリケーションについても様々なサービスが生み出されていくでしょう。そういった中で企業は自社サービスを継続的に改善しユーザーに選ばれるものにしていくことが求められます。この機会に、自社アプリでもUXデザイン改善にチャレンジする必要がないかを、いま一度考えてみてはいかがでしょうか?
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