昨今、テクノロジーの進化により我々の生活は様々な変化を遂げています。特に、オンライン学習の普及や人的資本の重要性の再認識により教育業界は大きな発展を見せています。
オンラインやオフラインを問わず教育サービスは数多くあり、各サービスが多種多様な機能を持っており鎬を削っています。本記事では教育サービスにおけるUX改善のポイントや改善事例について解説します。
目次
教育サービスについて
はじめに、本記事におけるキーワードである「教育サービス」が具体的にどういったサービスを指しているかについて説明します。
本記事における「教育サービス」は主に以下のようなサービスを指します。
- 資格/言語/ITなどのオンライン教育サービス(スタディサプリなど)
- オンライン講座マーケットプレイス(Udemyなど)
人々が学びを通じて人生を豊かにする上で、これらサービスを駆使し、便利かつ効率的に学ぶことはもはや欠かせなくなっています。教育業界はこれからも人的資本の重要性の再認識によりますます拡大していくことが予見されており、次々と多くのサービスが生まれていくことでしょう。
教育業界においてUXデザインが重要な理由
教育サービスにおいてUXデザインが重要だと言われる理由は以下の2点とされます。
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学習効果の向上に直結する
そもそもユーザーにとって使いにくいサービスだとスムーズに利用することができず学習の効果が上がりにくくなってしまいます。資格の獲得や言語能力の向上といった効果が可視化されやすい業界なので、確かな効果を生むためにもユーザーの体験が重要になります。
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長時間にわたってユーザーが利用する
学習を進め、効果を出すためにはどうしても長い時間がかかるものです。一回だけ利用する、あるいは稀に利用することはほぼなく、毎日のように継続的に多くの時間を費やすサービスだからこそ、ユーザーが使いにくいと感じると、すぐに離脱につながってしまいます。
教育業界におけるUXデザイン改善の効果 / メリット
前述のように、教育サービスにおいてはUXデザインの改善が大きな効果をうむことがわかります。その具体的なメリットは以下の2点とされます。
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多くのユーザーに利用されて収益性が高まる
優れたユーザー体験を構築することで、ユーザーがサービスをスムーズに利用することができるようになると競合他社の教育サービスに乗り換えることを避ける傾向があります。結果、企業としては多くの利用ユーザーを集めることができ収益性が高まることに繋がります。
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サービス上で正しいコミュニケーションができコストが削減できる
UXデザイン改善により、ユーザーがスムーズに登録や実際の学習、その成果の振り返りを行うことができるようになります。これにより、旧来の教育の個別対応で賄っていた部分が削減され、結果的に事業運営のコストを削減することができます。
教育業界におけるUXデザイン改善をおこなう際の注意点
教育サービスの分野において効果的なUX改善を行うために注意すべき点は主に以下の2点です。
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学習者のモチベーション管理を重視する
学習の成果を向上させるためにも、サービスを継続的に利用してもらって収益を上げるためにも、学習者のモチベーションを常に維持・向上することが重要になります。そもそも学習自体が時間をかけて取り組む性質のものでもあるので、体験として継続できる環境を構築し確かな結果を出すように仕向けることが重要になります。
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カスタマイズされたコミュニケーション設計をする
学習は、どうしても進度や習熟度がユーザーごとにバラバラになってしまう点が特徴的です。画一的なコミュニケーションではなくユーザーの行動を分析し、サービスにおいて各ユーザーに対して必要なコミュニケーションをすることが重要になります。
教育業界におけるUXデザイン改善の成功事例
ここでは世界的にも有名である言語学習アプリである「Duolingo」のUX改善の事例を紹介します。
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背景
Duolingoはユーザーが外国語を学びながら楽しみながら学べることを重視し設計されています。一般的な言語学習の問題は、ユーザーがモチベーションを保つことが難しい点にあります。Duolingoはこの課題に焦点を当て、UX改善に取り組みました。
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施策
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ゲーム要素の導入
ゲームの要素を言語学習に組み込んで、ユーザーがポイントを獲得し、ランキングで競い合えるような設計をしました。これによって、ユーザーが学習をゲームのように楽しむことができ、モチベーションの向上を図りました。
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パーソナライズされた学習コンテンツ
ユーザーの学習履歴と進捗に基づいて、カスタマイズされた学習プランを提供しました。これによって、自分のペースで学習でき、本当に今の時点で必要なスキルに焦点を当てることができます。
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フィードバックの改善
ユーザーが誤答した際には、具体的なフィードバックを提供し、正しい答えを示すことで学習効果を向上させました。
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ゲーム要素の導入
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効果
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エンゲージメント向上
ゲーム要素の導入とパーソナライズ学習により、ユーザーはアプリを継続的に使用するようになり、学習への意欲を維持・向上につなげることができました。
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学習効果の向上
フィードバックの改善により、ユーザーは自分の誤答から学び、効果的な学習を行うことができるようになりました。
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ユーザー数の増加
ユーザー体験を向上させたことによって、口コミによるバイラル効果も生まれ、利用者数が急増するという効果が生まれました。
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エンゲージメント向上
UXを重視したプロジェクトを推進するためには
自社でUXを重視した事業開発プロジェクトを推進するためには、以下に示すような中長期的な施策をおこなっていく必要があります。
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社内 / プロジェクト内のUX人材育成
社内において、実際にUXを重視したコンセプト設計や検討をおこなう人材が不足している場合は、どうしてもプロジェクトの推進力が落ちてしまいます。人材の育成は短期的に行うことが難しいので、中長期的な目線での人材投資 / 機会創出が求められます。
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組織全体のデザイン思考の重要性の啓蒙
社内やプロジェクト内においてユーザー体験が軽視されていると、あらゆる場面において各所の協力を得ることができずプロジェクトが進まなかったり、最悪の場合は頓挫してしまうことも考えられます。
結論 / まとめ
教育サービスにおけるUX改善は、サービスを使いやすくし、継続的な学習を促して最終的な学習効果を上げるために必要不可欠であることを解説してきました。継続的な改善を続けていくことでサービスが磨き込まれ、多くのユーザーの学びの体験を良いものにすることができます。今一度、自社のサービスについても課題を見つけ、UXデザイン改善について議論してみてはいかがでしょうか?
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