昨今、テクノロジーの進化により我々の生活は様々な変化を遂げています。日々の買い物の体験についても、リアルな店舗における購入の代わりに、インターネット上で探索から購入までが完結するECの業界が隆盛してきました。
ユーザーのニーズや行動を理解し、それに合わせたデザインや機能の最適化を行うことで、購入率や顧客満足度の向上が期待できます。本記事ではECサイトにおけるUX改善のポイントや改善事例について解説します。
目次
ECとは
はじめに、本記事におけるキーワードである「EC」について説明します。
ECとは、Electronic Commerce(電子商取引)の略称で、インターネットやコンピューターネットワークを利用して行われる商取引のことを指します。すなわち、商品やサービスの販売、購入、決済などをオンライン上で行うこと全体を総称します。ECは、従来の実店舗での販売に比べて、より手軽で迅速な取引が可能であり、近年では急速に普及しています。日本の国内の実例で言うとAmazonや楽天市場などのECサイトが有名になっています。
EC業界においてUXデザインが重要な理由
ECの業界においてUXデザインが重要だと言われる理由は以下の2点とされます。
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購買行動の促進に直結する
ECサイトにおいては、ユーザーがスムーズかつ迅速に商品を探し、購入を完了することが求められます。ユーザーがサイト内で迷子になったり、購入手続きが煩雑であったりする場合は、購買行動が阻害され結果的に購入には至りません。UXデザインによって、ユーザーがスムーズに目的を達成できるように設計することで、購買行動をダイレクトに促進することができます
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競争力の維持・強化に直結する
ECサイトは、数多くの競合サイトと競合することになります。ユーザーが競合サイトに流れてしまうことを防ぐためには、自社サイトで良いUXデザインを実現し、優れた顧客体験を提供することが必要不可欠です
EC業界におけるUXデザイン改善の効果 / メリット
前述のように、ECサービスにおいてはUXデザインの改善が大きな効果をうむことがわかります。その具体的なメリットは以下の2点とされます。
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リピート率が向上し顧客単価が上がる
顧客がリピートして購入することは、ECサイトにとって重要なポイントになります。UXデザインが改善されることで、ユーザーがサイト内で快適な体験を得ることができるため「またあのサイトで買ってみよう」と感じさせることで売り上げ向上につながります
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サービス上で正しいコミュニケーションができコストが削減できる
UXデザイン改善により、ユーザーがスムーズに購入を完了できるようになります。これにより、日々の運用で対応していた問い合わせやキャンセルが減り、結果的に事業運営のコストが削減されます
EC業界におけるUXデザイン改善をおこなう際の注意点
ECの分野において効果的なUX改善を行うために注意すべき点は主に以下の2点です。
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データに基づいて意思決定をする
ECサイトにおいては検索・比較・購入など様々なアクションが存在します。その詳細の数値を整理せずに経験や勘で施策を検討してしまうと、本当に改善すべきポイントを間違えてしまい効果が出にくくなってしまいます
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継続的に改善を続けること
UXデザインは一度施策を完了して終わり、ということはありません。ユーザーのニーズは常に多様化しています。継続的にPDCA回すことで常にユーザーに最適な体験をデザインすることが可能です
EC業界におけるUXデザイン改善の成功事例
ここでは世界最大規模のECプラットフォームであるAmazonの事例を紹介します。
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背景
Amazonは、膨大な商品数を扱うオンラインショップであり、ユーザーが目的の商品を見つけやすいUXデザインが重要であることを認識していました。しかし、かつては商品検索が不十分で、ユーザーが目的の商品を見つけるのに時間がかかるという問題がありました。
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施策
Amazonは、ユーザーが目的の商品を簡単に見つけられるように、以下のような施策を行いました。
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検索機能の改善
検索窓を常に表示し、自動補完機能やスペル修正機能を導入し、ユーザーが目的の商品を簡単に見つけられるようにした
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レコメンド機能の導入
ユーザーの過去の購入履歴や閲覧履歴を元に、関連性の高い商品を表示することで、ユーザーの購入意欲を促進した
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カスタマーレビューの活用
商品ページにカスタマーレビューを掲載することで、ユーザーが商品の購入を決めやすくした
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効果
施策の結果として、ユーザーの検索離脱率の改善、購入率の向上、ユーザーエンゲージメントもスコア改善を果たしました。Amazonは、UXデザインの改善によって、ユーザーにとって使いやすく魅力的なオンラインショッピング体験を提供し、巨大な成功を収め他と言えるでしょう
UXを重視したプロジェクトを推進するためには
自社でUXを重視した事業開発プロジェクトを推進するためには、以下に示すような中長期的な施策をおこなっていく必要があります。
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社内 / プロジェクト内のUX人材育成
社内において、実際にUXを重視したコンセプト設計や検討をおこなう人材が不足している場合は、どうしてもプロジェクトの推進力が落ちてしまいます。人材の育成は短期的に行うことが難しいので、中長期的な目線での人材投資 / 機会創出が求められます。
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組織全体のデザイン思考の重要性の啓蒙
社内やプロジェクト内においてユーザー体験が軽視されていると、あらゆる場面において各所の協力を得ることができずプロジェクトが進まなかったり、最悪の場合は頓挫してしまうことも考えられます。
結論 / まとめ
EC業界における成功には、良い製品や価格だけでなく、UXの改善が欠かせません。UXデザイン改善によって、ユーザーがスムーズに目的を達成できるように設計することで、購買行動を促進することができ、より多くのユーザーに商品を届けることが可能になります。今一度、自社のユーザーがどのように購買行動をおこなっているかを分析し、デザイン改善について議論してみてはいかがでしょうか?
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