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【話題のキーワード ‘デザイン思考’ を解説!】ビジネスにおけるデザイン思考の重要性を解説

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昨今、テクノロジーの進化によって我々の生活は大きな変化を遂げています。ひと昔前は存在しなかったTwitterやFacebookなどのSNSや、YoutubeやTiktokなどの様々なコンテンツサービスを中心に、毎日の生活における体験は急速にその姿を変えています。

また、日常生活のみならずビジネスシーンにおいても「AI」や「DX」のようなキーワードが一般的になり、今や「Web3」や「DAO」といった次世代の技術も急速に拡大を見せています。

本記事では、このような技術も人々の行動も目まぐるしく進化する時代においてユーザーのニーズに合ったプロダクトを作るための思考プロセス「デザイン思考」について、そのビジネスにおける重要性とあわせて解説していきます。

目次

デザイン思考とは

商品やサービスを使うユーザーの視点からビジネス上の課題を見つけ、解決策を考える手法を「デザイン思考」(英語では “design thinking”)といいます。

デザインと聞くと、色や形といった「デザイン」を考えることをイメージしがちですがそういったビジュアルデザインを検討する話とはまったく別の概念になります。

近年、めまぐるしく変化する時代の中で、前例のない課題に直面したり、商品やサービスの改善策に行き詰まったりした際に役立つ思考法として脚光を浴びてきました。

自社や社会環境に目を向けてサービスやプロダクトを考えるのではなく、ユーザーの視点で課題を見つけていく思考法である点が大きな特徴となります。

デザイン思考のプロセス

デザイン思考は、大きく5つのプロセスで問題解決を目指します。

  • 観察・共感

    顧客の課題やニーズを深くそして正しく理解することを目的として、ユーザーの日々の行動を観察したり、実際に自身で同じ体験をしたりします。実際に自身もバイアスをなくして顧客の経験や感情を追体験することで、顧客が抱えている課題・困っていることについて、表面的ではなく深い洞察を得ることができます。

  • 定義

    観察・共感を経て顧客の困っていることを言語化することができたら、これから取り組むべき課題を定義します。この際に、ありきたりで紋切り型の課題定義をするのではなく本当に顧客が抱えている課題を深掘りして設定するので、時には顧客自身も気づいていないような課題を定義するといったこともあります。

  • 概念化

    定義した課題を解決するためのアイデアを拡散させていきます。ブレインストーミングのような手法でなるべく枠にとらわれない形でのアイデア出しを行い、その中から最適な解決策を見つけ出します。

  • 試作

    概念化したソリューションを元に、商品やサービスのプロトタイプ(=試作品)を構築します。ここでは、あくまでプロトタイプであることを認識し、多くの時間やリソースをかけずに早く提供できる形に仕上げることが重要になります。

  • テスト

    プロトタイプを試験的に顧客に使ってもらい、そのフィードバックを分析して、実際に定義した課題を解決することができているのかを確認します。ここでも、PDCAサイクルの回転の速さを重視しながら施策⇄テストを高速で繰り返します。なお、この中で当初設定した課題が適切でなかった際には再度①や②の段階に戻り検討を再度行うこともあります。

デザイン思考のプロセス

ビジネスにおいてデザイン思考が注目される理由

近年では、主に以下の2つの観点でデザイン思考という思考法が注目されるようになっていると考えられます。

  • 時代の豊かさ

    物が溢れている時代において、ユーザーは自身の生活のためではなく、具体的に自身のニーズを満たす商品を購買するようになっています。またそのニーズも複雑かつ移ろいゆくものになります。そのニーズを満たすための一つの手段としてユーザーの体験(=UX)にこだわったサービスを構築するためにデザイン思考が用いられます。

  • 競争優位性を築く困難さ

    技術の急速な発展により、多様なサービスが早いスピードで次々と生み出されます。そのような変化の早い市場において、競合に対する優位性を築くための一つの手段としてユーザーの体験(=UX)を最大限に向上させていくことが重要になっています。

    ※UXとは「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」の略でユーザーが購買サービスの利用を通じて得る体験全体のことを意味します。とりわけITサービスの画面の美しさや使いやすさなどの利用体験だけに焦点を当てて語られることが多いですが、実際はオンライン / オフライン問わずユーザーが得る体験についてはその全てを指します。

デザイン思考がもたらすメリット / 効果

では、デザイン思考に則ってサービス設計を行うことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?

  • 多くのユーザーに利用される商品を開発できる

    デザイン思考を用いることでユーザーのニーズを的確に捉えることができるので、正しくユーザーのニーズを満たす商品やサービスを提供することができます。

  • イノベーションを促進できる

    デザイン思考はバイアスを取り払ってゼロベースで思考を発展させていく思考法なので前例のない課題発見やサービス開発を行うことができます。

  • チームの結束力が強くなる

    調査やアイデアだしなど、実際にユーザーを知っているメンバーを中心にプロジェクトが推進されるので、トップダウンではなくボトムアップでのサービス開発を促進することができます。

デザイン思考を用いる際の注意点

  • 新規サービスには向いていない

    現在、ユーザーが抱えている課題に対してアプローチしていく手法になるので、全く前例のないサービスや、ユーザーも知らないような目新しい業界のニーズとなるとなかなか良質な意見が集まらずプロジェクトが難航することが想定されます。

  • 中途半端な理解だとむしろ逆効果で成果が出ない

    適切な手段を踏まずに、ユーザーのニーズ発見をおろそかにしたり課題を定義する際に浅い議論に終始したりすると、むしろ中途半端にユーザーのいうことだけを取り入れた、どっち付かずのプロダクトを開発してしまうことにつながってしまいます。

デザイン思考を用いた成功事例

株式会社セブン銀行では、ATMという旧来から存在している筐体の新しい価値を見出すべく、デザイン思考を用いたサービス開発プロセスを採用しました。それまでの開発とは打って変わって、徹底的にエンドユーザーへのインタビュー調査と、社内外のメンバーを巻き込んだコンセプト検討活動を推進しました。プロジェクトメンバーだけでなく様々な属性のパートナーとも一緒に調査活動を行うことで、結果としてユーザーの本質的価値(近くで便利、時間がかからない、安⼼安全、使いやすい)を導出し、数あるユーザーニーズの中から実現すべき機能要件の優先度付けを⾏いました。結果として近い将来、テクノロジーの進化等によって新たな機能要求の実現可能性やニーズが⾼まる可能性を視野に⼊れ、ソフトウェア・ハードウェアともに拡張性を残した仕様を実現しました。

*出典*

「令和元年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業 我が国におけるサービスデザインの効果的な導⼊及び実践の在り⽅に関する調査研究報告書[詳細版]」(経済産業省)

https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200420002/20200420002-3.pdf

デザイン思考を用いたプロジェクトを推進するためには

自社でデザイン思考を重視した事業開発プロジェクトを推進するためには、以下に示すような中長期的な施策をおこなっていく必要があります。

  • 社内 / プロジェクト内のUX人材育成

    社内においては実際にプロダクトのデザイン思考を用いたコンセプト設計や検討をおこなう人材が不足している場合はどうしてもプロジェクトの推進力が落ちてしまいます。人材の育成は短期的に行うことが難しいので、中長期的な目線での人材投資 / 機械創出が求められます。

  • 組織全体のデザイン思考の重要性の啓蒙

    社内やプロジェクト内においてデザイン思考のコンセプトが軽視されていると、あらゆる場面において各所の協力を得ることができずプロジェクトが進まなかったり、最悪の場合は頓挫してしまうことも考えられます。

結論 / まとめ

サービスやプロダクトというものは、その受け手(消費者)がいて初めて成立するものになります。

その消費者の生活環境やニーズが早くそしてダイナミックに変化する現代だからこそ、まずは彼らの洞察や課題をデザイン思考を用いた思考プロセスで徹底的に深く掘っていくことが求められるのではないでしょうか。

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