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DXを推進する際になぜUXを重要視する必要があるのか?

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近頃、ビジネスのシーンにおいて当たり前のように使われるようになったキーワード「DX」。様々な場面で耳にする言葉ではある一方、「DX」について曖昧な理解のままでなんとなく会話をしている人も多いのではないでしょうか?

本記事では、「DX」についての解説はもちろん、その成功の大きなカギを握る 「UX」についても解説することで「DX / UXの関係性」や「DX成功のポイント」について紹介します。

目次

DXとは

DXとは「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略で、デジタル技術を発展・利用し既存のやり方をより良いものに変革していくことを意味します。

ただ、これは広義の解釈になっており、主にビジネスの現場では、企業のデジタル技術の進化あるいは新たなソリューションの導入により、既存のビジネスモデルを覆すような革新的イノベーションをもたらす改革として語られることが多くなっています。

UXとは

UXとは「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」の略でユーザーが購買サービスの利用を通じて得る体験全体のこと。

とりわけITサービスの画面の美しさや使いやすさなどの利用体験だけに焦点を当てて語られることが多いですが、実際はオンライン / オフライン問わずユーザーが得る体験についてはその全てを指します。

DX推進においてUXの重要性が注目される理由

DX推進の市場はどうなっているのか?

2020年10月の富士キメラ総研の日本国内の市場調査の日本国内の市場調査「DXの国内市場(投資金額)」によると、2019年度のDXの市場規模は7,912億円となっており、2030年度予測では2019年度比で3.8倍となる3兆425億円にのぼるとしています。

昨今のDXニーズの高まりについては大きく以下の3点が要因として考えられます。

  • あらゆるユーザー体験が紙媒体からWeb媒体へ

    ここ10年ほどをかけて、Web技術の高まりにより日々のあらゆる体験が紙媒体からWeb媒体へと移行してきました

  • コロナ禍によるデジタル化やオンライン化ニーズの高まり

    2020年から始まったコロナ禍により、急速に非接触ニーズの高まりやオンラインコミュニケーションの拡大が生じました

  • 人材不足による効率化ニーズの台頭

    とりわけ日本では、現在から将来にわたって労働人口は減少の一途をたどることが予測されている中でデジタル技術を用いた人材不足の解消ニーズが高まっています

UXデザインの重要性は高まっているのか?

2018年の矢野経済研究所の調査によると、独自に算出したITサービス市場におけるUX貢献額は、2019年は2.01兆円、2020年は2.47兆円、2021年は2.89兆円を予測しました。また2017年から2021年の年平均成長率についても24.2%という高い成長率を見せています。

なぜこれほどまでにUXのインパクトが高まっているのでしょうか?理由は以下の3点にまとめられます。

  • 商材がモノからサービスへ

    人々の購買行動において、実際にお金が払われる先がモノを買いきりで購入することからITサービスに課金をするシーンが著しく増えています

  • UXがサービス品質に直結する

    1.のようにITサービスに触れる機会が増加していく中で、そのサービスを評価するにあたって重視するポイントがユーザー視点での体験価値になり、それをもってサービスを評価するようになります

  • 競争優位を築くために各社がUXに投資を強めている

    2.の結果、各社がUXデザインを重視するようになっており互いに競合優位を築くために相乗的に重要性が高まってきています

以上のように、DXニーズが高まっている中で、ITサービスにおけるUXのインパクトも高まっており、結果としてDXのプロジェクトを推進するにはUXを重視することは欠かせなくなっていると言えます。

UXを重視するメリット / 効果

実際に、ITサービスにおける「UXが良い(=顧客の体験が良い)」事例は日々のあらゆる場面において自身でも気づかないうちに感じています。

「サイト上で、欲しいと思っていた情報がすぐに見つかった」「ボタンやテキストサイズが適切で見やすかった」「申し込みや購入までの手順に迷いがなかった」

では、上記のような優れたUXを実現することでどのようなメリットが得られるのでしょうか?一般的にはユーザーが以下のようなSTEPをたどることでビジネスにおける成果があげられると考えられています。

  • サービスに触れる

    様々なユーザーが、日々の行動の中で多様なサービス / Webサイトに触れる

  • よりよい体験を実感する

    サイトの使いやすさや欲しい情報のわかりやすさを感じ、より良い体験を積み上げる

  • UXを起点に他ユーザーへ拡がる

    ユーザーへのよりよい顧客体験を提供し続けた結果、満足度が向上し高い評判や口コミが集まる

  • 競争優位性が構築される

    アーリーアダプターの獲得や、模倣されにくい顧客価値の提供により継続的かつ効率的なユーザー獲得が可能になる

DXプロジェクト推進における注意点

DXに類似した概念として以下の2つのキーワードが挙げられます

  • デジタイゼーション

    ITシステムの導入などを通じて業務をデジタル化すること。業務フローの一部が自動化 / デジタル化される。

  • デジタライゼーション

    ITシステムの導入などを通じて、一連の業務プロセス全体をデジタル化すること。デジタル技術で新たな価値やビジネスモデルを生み出すことを意味します。

デジタルトランスフォーメーションの図

これらが一部の業務のみをデジタル化するのに留まるのに対して、DX(デジタルトランスフォーメーション)は個別の業務プロセスに留まらず、企業の組織やビジネスそのものを一様にデジタル化することでドラスティックな変革を起こすことを意味します。

すなわち、ただ「最近注目のITサービスを導入しよう」や「面倒な業務があるから自動化してみよう」と考えるのではなく、本当に顧客や自社にとってデジタルによって変革を起こすべき課題を特定した上でプロジェクトを推進していくことが求められます。

UXを重視したDX推進の成功事例

では実際にDX推進の成功事例というものはどういったものがあるのでしょうか? 例えば日本最大級の不動産メディア「RENOSY(リノシー)」を運営する株式会社GA technologiesは、紙の資料や契約書、電話・FAXなどがいまだに多く利用されているアナログな業界である不動産業界において業界全体を変革するような価値提供を行っています。 不動産投資用ローンの申し込み・審査をオンライン化するSaaSサービス「MORTGAGE GATEWAY by RENOSY」では、書面を中心とした煩雑なやり取りを削減し、圧倒的にスムーズな取引にこだわったUXを実現しました。

結果として、顧客体験の向上だけでなく、提供先の不動産会社や金融機関の業務効率化にも寄与しており、まさに抜本的な改革の一例と言えます。

*出典*

デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2020(経済産業省 / 株式会社東京証券取引所)

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/keiei_meigara/report2020.pdf#p=39

UXを重視したDXプロジェクトを推進するためには

自社でUXを重視したDXプロジェクトを推進するためには、以下に示すような中長期的な施策をおこなっていく必要があります。

  • 社内 / プロジェクト内のUX人材育成

    社内においては実際にプロダクトのUXデザイン・ディレクションをおこなう人材が不足している場合はどうしてもプロジェクトの推進力が落ちてしまいます。人材の育成は短期的に行うことが難しいので、中長期的な目線での人材投資 / 機械創出が求められます。

  • 組織全体のUXの重要性の啓蒙。

    社内やプロジェクト内においてUXが軽視されていると、あらゆる場面において各所の協力を得ることができずプロジェクトが進まなかったり、最悪の場合は頓挫してしまうことも考えられます。

結論 / まとめ

昨今の「DX」ブームにより、あらゆる場面でニーズが高まってきているものの、実際に本質的なDXプロジェクトを実施し成功に導くことができるケースは稀です。本質的なDXを実現し、抜本的な改革を起こすために重要な要素としてUXデザインを重視した案件推進が求められます。

まずは、真にユーザーに選ばれるサービスの立ち上げや業務全体の刷新によるビジネスモデルのアップデートのためには、ユーザーの体験価値を重視したプロジェクト推進をおこなうことが必須だと理解することが何よりも求められています。

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