UXとはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略称です。 ユーザーが得られる体験のことを指し、「Experience」は「体験・経験」といった意味を持つため、「ユーザー体験」「ユーザー経験」とも訳されています。
ユーザーが嬉しいと感じる体験となるように、理想のUX(ユーザー体験)を目標にデザインしていくことを、「UXデザイン」と呼びます。
今回はUXデザインにおけるプロセスの1つである、「調査・分析」にフォーカスして説明していきます。
目次
分析とは
分析とは調査で明らかになったユーザーの要求を、実際のサービスやプロダクトに落とし込めるように整理することです。 まずユーザーの利用状況やサービス、プロダクトに対する要求を分析し把握します。
具体的な手法として挙げられるのが、ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成です。 ペルソナを設定することによってプロジェクト関係者間でユーザー像の共通認識を持つことができ、カスタマージャーニーマップでは顧客の行動・思考・感情を可視化します。
競合他社との差別化はどんな所か、サービスのユーザーに求められていることはどんなことかなどを調査・分析していきます。
ペルソナ法とは
ユーザー調査で得られた結果から、典型的なユーザーを導き出し、ユーザーを代表する「架空のユーザー像」を作る方法です。 UXデザインのプロセスでは、ユーザー中心に考えるために用いられ、プロジェクト関係者間の共通理解を促進するためにも用いられます。
ペルソナとターゲットの違い
ターゲットは広範囲なデモグラフィック変数に対して、ペルソナはより具体的なデモグラフィック変数に加えて、価値観やライフスタイル、性格などのサイコグラフィック変数も定義されます。 実在する人物のレベルにまで詳細どをたかめて設定するのが「ペルソナ」です。
以下は、ターゲットとペルソナの具体例です。
ターゲット
20代〜40代、男性、東京都在住
ペルソナ
- 年齢:20代〜40代
- 性別:男性
- 居住地:東京都在住
- 職業:IT企業勤務
- 家族構成:2人
- 性格:新しいもの好き。アクティブ
- 趣味:サイクリング
ペルソナを設定するメリット
ペルソナを作るメリットは大きく2点あります
- プロジェクト関係者間の共通理解
- ニーズの的確な把握
ターゲット情報のみだと、関係者内で異なるターゲット像をイメージしてしまい、方向性のズレが生じてしまう可能性も。 関係者内で異なるターゲット像のまま進行してしまうと、作業遅延やユーザーに届かないなどの問題が発生してしまいます。
データに基づいたペルソナを設定することで、一貫性をもってプロジェクトを進行していけます。 さらに、ユーザー目線で考えられるので、「何に困っているのか」「何が必要なのか」を的確に掴むことができます。
ペルソナの設定が、プロジェクト進行、方向性を明確にするのに必要不可欠と言えるでしょう。
カスタマージャーニーマップとは
ジャーニーマップとは、ユーザーとサービスの接点を旅に見立て時間軸で表現したものです。 その接点での出来事について、行動、感覚、認識、思考、感情などを明らかにする手法です。
カスタマージャーニーマップを作成するメリット
ターゲットユーザーの理解を深めることができる
複数のタッチポイントをまたいで一連のユーザー体験の全体像を、プロセスだけでなくユーザーの行動や感情を含め視覚化できる。 カスタマージャーニーマップを作成することにより、時間軸の観点でユーザー体験を関係者内で共有でき、ターゲットユーザーへの理解をより深めることができます。
現状の課題を抽出することができる
ユーザー体験の全体像を示すことで、改善すべきポイントを検討しやすくなる カスタマージャーニーマップを整理することで、現状のユーザー体験のどの段階でユーザーの不満が発生しているのか、課題が明らかになります。
ユーザーの感情は時間軸で体験を表現するカスタマージャーニーマップでしか扱うことができません
競合他社調査・分析とは
競合他社調査・分析とは、製品やサービスをよく把握し、競合相手と比較することです。 競合他社調査・分析をすることにより、競合他社がユーザーに提供している価値を相互比較し、どのような価値を共通的に提供しているか、どの部分に改善点があるのかを把握できます。
競合調査・分析をするメリット
競争優位を見極めるためには、強みや弱みを知っていることがきわめて重要になります。
- 3~5社の競合を特定して分析し、強み弱み改善点を把握できる
- 競合のプロダクトやサービスを使ってみて、ビジネスのしくみを把握できる
- 製品やサービスの完成度を高められる
まとめ
対象ユーザーや競合他社を分析し、効果的な戦略を策定すれば、市場で競争優位性のあるサービスを作ることができます。 何が成功でなにが失敗か、今すべきことがわかることで、今あるアイデアをさらに良いアイデアにするのに役立ちます。
正確に調査・分析することにより競合と差別化をはかり、顧客満足度や製品・サービスを向上させることができるでしょう。
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